手足多汗症にお困りではありませんか
手足多汗症とは気温や運動とは無関係に、手のひらや足の裏に大量の汗が出る状態を指します。日常生活に支障をきたすほどの発汗が特徴で、握手を避けたい、紙が濡れてしまう、靴の中が蒸れて不快といった悩みが多く見られます。発汗は緊張やストレスでさらに悪化することがあり、心理的負担も大きくなりやすい症状です。
多くは10代前後から発症し、家族内に同様の症状を持つ人がいることもあります。明確な病気がないにも関わらず発汗が多い「原発性多汗症」がほとんどですが、まれに甲状腺機能亢進症などの内科的疾患が原因となる「続発性多汗症」の場合もあります。
現在では、手足多汗症に対して保険適用の外用薬(エクロックゲル・ラピフォートワイプ)やボトックス注射など、効果的な治療法が確立されており、症状の改善が期待できます。不快な汗に悩まれている方は、我慢せず専門医に相談することで、日常生活の質を大きく改善できる可能性があります。
原因
手足多汗症の原因は、大きく分けて「原発性(げんぱつせい)」と「続発性(ぞくはつせい)」の2つに分類されます。
◇原発性手足多汗症(もっとも多い)
明確な病気がないにも関わらず、体質的に手足に過剰な発汗がみられる状態。思春期頃から発症することが多く、家族にも多汗症の人がいるケースがあります(遺伝的要因)。緊張やストレスによって汗が増えやすいことも挙げられます。このタイプは、交感神経の働きが過敏になることが原因と考えられています。
体温調節とは関係なく、日常生活の中で常に手のひらや足の裏に汗が出てしまうのが特徴です。
◇ 続発性多汗症(病気によるもの)
内科的な病気が原因で発汗が増えているケースです。この場合は、手足だけでなく全身に汗をかくことが多く、急に発症するのが特徴です。
代表的な疾患として:甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)、糖尿病、更年期障害(ホルモンバランスの乱れ)、自律神経失調症、感染症や悪性腫瘍による発熱に伴う発汗
このような病気が疑われる場合は、血液検査や内科的な精査が必要になります。
症状
・手のひらや足の裏に大量の汗が出る
冷房の効いた部屋でも汗が止まらないことがあります。
・汗で手が湿っている状態が常に続く
紙が湿って破れたり、電子機器が使いづらくなる場合も。
・足の裏の汗で靴や靴下が蒸れて不快になる
蒸れによるにおいや、足の皮膚トラブル(白癬・湿疹)も起こりやすくなります。
・緊張やストレスで汗の量がさらに増える
試験、会話、発表、接客などの場面で悪化しやすい。
・気温や運動に関係なく汗が出る
冬場や安静時でも発汗することがあります。
・日常生活に支障をきたすレベルの発汗
握手を避ける、人との接触に抵抗を感じるなど、精神的な負担も大きくなりやすいです。
診断・検査方法
医師による問診、視診、必要に応じて血液検査をおこないます。
当院の治療法
手足多汗症は、保険適用の外用薬から自費診療の注射療法、手術まで、症状の程度に応じてさまざまな治療方法があります。当院では、患者様の生活スタイルやお悩みに合わせた治療提案を行っています。
◇外用薬(保険適用)
1.エクロックゲル(掌蹠多汗症用/日本初の保険適用)有効成分:抗コリン薬(ソフピロニウム臭化物)
手のひらや足の裏に塗布し、交感神経の働きを抑えることで発汗を軽減します。1日1回塗布。使用感が良く、自宅で簡単に使える治療法です。
2. ラピフォートワイプ
シートタイプの抗コリン薬で、手軽に拭き取り式で使える新しい治療法で。敏感な方や外出時のケアにも適しています。
自宅でのケア・注意点
手足多汗症の治療をより効果的に進めるためには、日常生活でのセルフケアも非常に大切です。
以下のポイントを意識することで、発汗による不快感を軽減し、生活の質を高めることができます。
◇自宅でのケア方法
1.こまめに手や足を清潔に保つ
汗による雑菌繁殖を防ぐために、手洗いや足洗いをこまめに行いましょう。
2.吸湿性・速乾性のあるアイテムを使う
綿素材の靴下や、速乾性に優れた手袋・インソールなどを活用すると快適です。
3.制汗パウダーや制汗シートの活用
外出先では、手足用の制汗パウダーやシートを持ち歩くと安心です。
4.ストレスマネジメントを意識する
発汗は精神的な緊張でも悪化します。深呼吸・瞑想・趣味の時間を持つことも大切です。
◇ 注意点
1.通気性の悪い靴や靴下は避ける
蒸れやすくなり、臭いや皮膚トラブル(湿疹・水虫など)の原因になります
2.市販の制汗剤を過度に使いすぎない
強力すぎるものはかえって皮膚を刺激する場合があります。使用は適量に、肌に異常があれば中止してください。
3.自己判断で薬を使わない
外用薬や内服薬は、必ず医師の指導のもとで使用しましょう。
4.放置せず、困ったら早めに相談を
たかが汗と我慢せず、日常生活に支障があれば医師の診察を受けるのが第一歩です。